SDA鹿児島キリスト教会は、聖書主義に立つキリスト教・プロテスタントの教会です。

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2021/05/07(金) イベント

十日間の祈り【二日目】こんなものとの別れ

 慢性鼻炎。この病は、物心がついた頃にはすでに私の一部だった。色々な薬を処方された記憶があるが、完治したことはない。高校生の時には、レーザー手術も検討したが、当時の主治医に「粘膜が死んでるから手術の効果は期待できない。病気と上手く付き合っていくほうが賢い」と言われたので、以来は「こんなものと」として割り切っている。

 つまり、私は鼻炎のない人生を知らない。ある人には、悲劇のように聞こえるかもしれないが、この状態しか経験のない私には普通のことで、今では、鼻炎を完治させたいと思うことすらない。「こんなもの」だからだ。


標準を引き下げる罪

 鼻炎はともかくして、信仰生活に「こんなもの」精神を持ち込むことは恐ろしく危険だ。それは本質においては霊的妥協であり、リバイバルの最大の障害となり得る。

 しかし実際は、私たちの信仰理解にはそれが多くあるように思う。信仰の実践における妥協ではない――これについて語りだすと切りがない。今言っているのは、その理解において、既に妥協が入り込んでいるのでは、ということだ。


 聖書の標準を引き下げ、神の計画の一部で満足することを謙遜だと思い込む。聞かれていない祈りをさも聞かれたかのように解釈する。こういった類は、すべて理解における妥協だ。更に、こうして主のビジョンを引き下げることは、「御霊を消す」罪になりかねない(一テサロニケ五・一九)。

「こんなもの」として消化しなければ、信仰に留まるのが難しいと感じることがあるのも確かだ。求めても得られなかった時に、求める経験が祝福だったと結論づけて自分を納得させようとしてしまう。

 もちろん、その経験の価値を否定する必要はない。しかし考え欲しい。神の栄光は、人に言い訳をしてもらわなければ、その体裁を損なうほどに脆いのだろうか。そうではないはずだ。肉の理解が追いつかないという理由で、神の言葉を単なる人生訓に落とし込んではいけない。


 私たちはまず、主のビジョンをあるべき高さに回復する必要がある。リバイバルを求める叫びを挙げられるのは、本来あるべき姿が「こんなもの」でないと知った人だけなのだ。それは自分の霊的惨めさを認めることでもある。ラオディキア教会の霊的回復は、自分が裸の恥を晒していると認める所からスタートしなければならなかった(黙示録三章)。


「こんなもの」を見つける

 霊的後退の根深さは、自らの後退加減を正しく捉えきれていない所にある。これから挙げられるいくつかの問を用いて、自分の信仰理解を吟味しよう。向き合おう。私たちがいかにリバイバルを必要としているかを問いたいと思う。


  1. イエス・キリストを愛しているか 

 あなたの信仰生活はキリストへの愛を動機としているか。それとも、何となくの惰性だろうか。仕事、趣味、家族。キリスト以上に愛しているものがあるか。

  1. 神の掟を喜んでいるか

 詩篇記者は、律法を「完全」であると喜んだ。安息日に制限を感じることがあるなら、あなたは十戒の霊的原則に出会っていない。律法を心から喜ぶ人生が歩めると信じているだろうか。

  1. 救いの確信に満たされているか

 救いは信仰による。あなたの感情に関わらず、「口で告白し、心で信じる」人は救われている――この考えは正しい。しかし聖書は次の段階として、救いの確信に満たされることが可能だと教える。これこそ、新約の教会を特徴づけた栄えに満ちた喜びであった。

  1. 信仰者の一致は夢の話なのか

 キリストは十字架を前にして教会の一致を祈った。これは今日の私たちの内に実現するのだろうか。あなたはそう信じるか。信じるとは、そのために全力を尽くすことを含む。「教会は罪人の集まりだから…」と言うだけで行動がないなら、その人は信じていない。委ねることと放棄することは似て非なる。


 多くある中から四つの問が挙げられた。キリストへの愛に満たされていない生活。義務感だけでの服従。救いの確信がない信仰。一致のない状態。このような状況を、「こんなもの」として受け入れてしまっている自分がいただろうか。

 聖書の約束を理屈では分かっているが、経験的に理解し確信しているとは言えない――そんな状況が通常。もしそうなら、あなたは霊的後退という異常事態を生きている可能性が高い。あなたはリバイバルを必要としている。主の助けなしにその状態から向けだすことはできない。祈り求めよう。今すぐ始めなければならない。


 主が与えられと約束されたものを、遠慮する必要は一切ない。標準を下げずに奮闘するべきだ。約束を与えられた主が、約束の実現を与えてくださらないことがあるだろうか。否、正しく真実なお方である主に偽りはない。ハレルヤ!すべての約束はリバイバルにおいて必ず実現する。まずは「こんなもの」との別れから始めよう。